2024年7月27日
1960年代昭和のくらし

意外と有能だった昭和の見せる収納

西田小学校郷土資料室見学レポートの続きです。

最強の昭和レトロスポットがご近所にありました

居間の一枚棚

「くらし」のコーナーで、箪笥の上に視線を向けると
鴨居に板を渡した「一枚棚」があります。

長押しの一枚棚

ここは、季節もの置き場。

金魚鉢、湯たんぽ、
蚊取り線香を入れるブタの蚊やり。

うちわは文化放送の宣伝用でしょうか。
周波数が9kHz間隔に変わる前の1130kHz時代のものですね。

 

夏は使うけど冬は使わない。

そういうものは、物置にしまいこむのは面倒だし、
かと言って、ずっと畳の上に置きっぱなしにもできないし…

ということで、結果的にこの中途半端な
「ちょい置き」的なところに置いたのだと思います。

完全に外でもないし、内でもない「縁側」と
似たような緩衝地帯ですね。

 

すごく日本的です。

 

畳の上に仰向けに寝っ転がった時だけ
視線の中に入ってくる。

扇風機やうちわを眺めて
夏休みが来たらまた海に行きたいな〜

なんて、ちょっとだけ想像の世界に行ける。

 

飾ることを目的にした「見せる」収納ではなくて、
結果的に「見える」ことになっちゃった棚ですが、

きっちり計画的にしまい込むより、
ゆとりが感じられますよね。

 

実際には、物を置くところに困って
鴨居に板を渡しちゃった、っていうことなんでしょうが(^_^;

台所の一枚棚

ここも、窓枠の上に板を渡した
急ごしらえの棚です。

台所の一枚棚

鍋、ボール、ざる、やかん、
お砂糖やお塩の入ったのツボ。

オオカミ少年ケンのコップ。
これ、幼稚園の時、使ってましたw

 

それから、鰹節削り。

引き出しには鰹節。
フタを開けるとカンナがはまっていて
しゅっしゅっと削ると引き出しに貯まる…

これは子供のお手伝いの定番でした。

 

ごはんが和食オンリーなら
これ、全部毎日使うかな。
オープン棚、正解かも。

 

シンク下の収納もオープンだった

シンクの上の位置には
今でもオープン棚をつけているお宅は多いと思います。

毎日使うものは、
すぐに取り出せるようにしておきたいですものね。

でも、シンクの下は、
下水パイプが通っている関係もあり、
現在はほぼすべてのお宅で
扉付き収納になっていると思います。

例えばこんなやつ。

pin

一方、昭和30年代のシンク下はこちら。

台所

梅干し、お味噌、ごますり。
米びつの傍らに枡。

これらも和食オンリーなら
毎日使うものですね。

 

当時の住宅事情では、
立派な食器棚とか、
シンクに扉とか、
そんな余裕がなかったんだと思いますが、

よく考えると、
扉のない、オープン棚の方が便利なんじゃないか?(^_^;

 

庶民のアパートやマンションだと、
シンクの手前は人一人通れるぐらいの空間しかなくて、
そんなところで扉を手前に開くといっぱいいっぱい。
意外と有能だった昭和の見せる収納

物の出し入れに苦労する場所となり、
結果、ブラックボックス化してしまいます。

 

質素な設備の方が
便利で効率が良かったなんて、
皮肉なもんですね。

かといって、
シンク下の扉を撤去する勇気はありませんけどねっ!

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