夫が脳梗塞になった話し(4)急病対策から退院まで
地震などの災害に備え、
地域の避難所の確認や、飲料水・食料の備蓄をしている方、
多いと思います。
しかし、自分が救急車を呼ぶことがあるかも、
と思いながら準備をしている人って、
なかなかいないのではないでしょうか。
でも、よく考えてみると、
親が高齢だったり、配偶者が生活習慣病リスクを抱えている場合、
地震などの災害に見舞われる可能性より、
救急車を呼ぶ可能性の方が高いんですよね。
かく言う私も、まさか自分が救急車を呼ぶなんてことが
実際に起こるとは夢にも思いませんでした。
なので、初めて呼んだときは
「今、どちらから電話してますか?」と言われても答えられず、
バッグや靴などの荷物のことにも全く気が回りませんでした。
2度目の時は、前回の経験があったので、
靴や荷物、書類のこと等にも気を配ることができましたし、
少しは落ち着いていられた分、不安やストレスが抑えられたような気がします。
救急車を呼ぶ、なんてあまり経験を積みたくない話ですが…(^_^;
まあ、経験を積まなくても、普段から念のための備えがあれば、
いざという時に随分助かります。
地震等の防災対策でも、避難訓練をしたり、
防災グッズをそろえたりするのですから、
家族の急病対策も同じようにやっておいた方が安心ですよね。
とはいえ、どのように備えをしておけば良いのでしょうか?
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備えはひとつ
情報さえあればひとまず安心
不測の事態が起こったとき、なぜ慌てたり、不安になったりするかというと、
「どうしていいかわからない」からですよね?
「どうしよう?」
「どうしたら?」
そんな気持ちが不安や恐怖を感じさせるのです。
でも、あらかじめ何をしたらいいのか、何をすべきか、わかっていれば
不安は大分やわらぐのではないでしょうか。
また、何をすべきか、わからない場合でも、
ここに連絡すればなんとかしてくれる、ここに相談すれば答えがみつかる、
ということが、予めわかっていれば、
「助けて」という気持ちを訴えることができますよね?
はい、お金の蓄えとか、物の備蓄以上に大切なのは、
「情報」なんです。
逆に、十分な情報さえあれば、
自分一人でもなんとか対処ができますし、
万が一入院が長引いたとしても、
仕事を辞めずに配偶者を支えたり、
親の面倒を見たりすることが可能になります。
この本は常備しておこう
私の場合、夫が脳梗塞で入院し、そろそろ退院、というときに
たまたま職場で開催された「介護セミナー」に参加する機会を得て、
随分と救われました。
そのときの講師の先生の著書がこちらです。
この著書には、救急車を呼ぶような事態が起こった時の備えから、
退院後の準備まで、これ以上無いぐらいの情報がつまっています。
著者ご自身も、仕事をしながらご両親の介護をされました。
しかも、一人っ子で、頼る兄弟がいない、という厳しい環境です。
そんな著者の経験をもとに書かれたこの著書には、
実際に役に立つ実践的な情報が集められています。
現在の福祉制度は非常に複雑で、
一回読んだだけでは頭に入ってこないほど大量の情報が必要ですが、
とにかく、この本を側に置いておき、
いざというときは、この本を開けばいいのだ、ということさえ覚えておけば、
随分と安心度が違うのではないかと思います。
この本を読むとわかること
自分の経験に照らし合わせて、非常に役に立ったと思われた項目を目次から抜粋します。
【入院】
【退院】
【介護保険制度】
【介護と医療のお金】
【施設入居】
また、私の場合は親が近くに住んでいるので該当しなかったのですが、実家が遠い方は以下の内容も要チェックだと思います。
【遠距離介護】
【親の独居】
その他、【認知症介護】、介護者の【家族関係】、そして【看取り】についても
詳細が網羅されており、該当しない人はいないんじゃないかと思うほど
多岐にわたる事例が紹介されています。
救急車を呼んだときに必要なもの
「一人でもだいじょうぶ 仕事を辞めずに介護する」のp.119に
「親が一人暮らしになったら、保険証やかかりつけ医の診察券、
一人でもだいじょうぶ 仕事を辞めずに介護する
お薬手帳のコピーを空きペットボトルなどをカットした中に入れ、
冷蔵庫に入れておきましょう。119番通報をしたとき、
「医療情報は冷蔵庫にあります」というだけで
駆けつけた救急隊員が探し出してくれます」
との記述があります。
おちとよこ氏の講演会でも同様のお話があり、
冷蔵庫に医療情報、というのは、自治体でも推奨していて、
かなり普及しているということでした。
早速「うちの実家でもやらなくちゃ」と調べたら、
私が居住のM市でも、「緊急医療情報キット」が
市役所や在宅介護支援センターで
無料配布されていることがわかりました。
キットには、医療情報記入用紙の他に、
その用紙を入れる封筒、それを冷蔵庫に貼るマグネット、
さらには、玄関に貼るシール(医療情報が冷蔵庫にある旨を知らせるためのもの)まで
入っており、まさに至れり尽くせりです。
うちの自治体はやっていないなあ、という方は、
こちらを参考に自分で作ってみてもいいかもしれませんね。
入院している間はどうする?
家族の誰かが入院すると、
「これもしてあげあくちゃ、あれもしてあげなくちゃ」
「今度病院へ行くときはこれを持っていかなくちゃ」
というように、
いろんなことが頭の中をぐるぐるしてしまい、
パニック状態になってしまいます。
そんなときに、まず、考えるべきことは、
「自分がいかにラクをするか」
ということ。
足りないものは病院の売店やコンビニで買えばいい。
大抵のものはそろいます。
タオルや寝間着はレンタルで。洗濯も最低限になるように。
長い目で見れば、自分が息切れしないこと、
それが自分にとってはもちろん、
病気の家族にとっても一番いい結果をもたらすことになるのではないでしょうか。
そして、「どうしよう」と思ったときに、
まずこの本を手に取れば、
きっと打開策が、みつかると思います。
「入院に必要なもの」がリストアップしてあるので、
落ち着いて準備することができますし、
請求書などは郵送にしてもらって
病院へ行く回数をなるべく減らそうとか、
人手が足りないとき、どうしたらいいか、とか、
そういった記述もありますので、
いざという時のために
「持っている」だけでも、安心になる本ですね。
退院の準備について
入院中のやりくりの目処がついたら、
今度は、退院後どうなるのか、について
調べておかなくてはなりません。
そろそろ退院です、と言われてからでは遅いし、
退院してしまうと、病院の相談室に相談することもできません。
在宅か、転院か、施設入居か。それによっては、準備も違います。
もし歩けない状態で退院した場合、
車椅子等の補助器具はどこでどのように調達したらいいんだろう?
介護保険が使えるようになるまでの間、
どの位費用がかかるんだろうか?
おちとよこ氏の本は、
退院後の悩みについても、
事細かに答えてくれます。
おかげで私もあれこれ心配せず、
「こういうときは、ここに相談だ。」と
覚悟を決めることができました。
なお、夫の入院の場合、入院した時に治療計画が立てられており、
症状が安定したら、入院したままリハビリ、
期間は2週間〜2ヶ月、
退院後は地域の医療機関に転院、というお話でした。
幸い、1週間もしないうちに
リハビリをはじめることができて、
すぐに自分で歩けるようになり、自力で入浴もできるようになったので、
入院期間は最短の2週間ですみましたが、
退院後は、自分自身で
・通院と投薬治療
・リハビリの継続
・食事制限
をやっていくことになりました。
そして、退院直前に、栄養士の先生から、
控えた方がいい食べ物は何か、とか、
味付けは薄めに、調理の最後に、などの説明を受け、
いよいよ、退院。
実は、今だから言えるのですが、
退院の日、私は入院の日と同じぐらい緊張していました。
これからは、自分の時間を全て
夫の治療に費やしていかなければいけない。
特に食事については、退院したその日から
「何を用意したらいいんだろう?」
「3食作るのは無理だし、でも、外食はできるの?」
「塩分の高いものを食べて、また倒れたりしたらどうしよう」
などと心配はつきず、
よく眠れない日が続きました。
でも、ぐるぐる考えていても仕方ありません。
とにかく、再発はさせない! それだけです。
次回の記事では、退院後の減塩作戦について書いていこうと思います。
私も脳梗塞ですが
心不全で入院時にこの脳の障害が表面化したようです。
思い起こせば30代の頃から変なめまいがあったので
小さい脳梗塞はすでにあったようです。
50代でいっきに表面化しました。
元看護婦のパートナーがそばにいたおかげで入院、退院後の食事管理やら
助けられています。おまけに糖尿病も発覚しました。
食事制限は4年間、コメ、麺類は食べずにきましたが血液検査は問題ありません。
→ひょっとこさん
レスが遅くなっちゃいました。糖質制限、頑張られたんですね。うちも麺類を食べない生活になり、最初はちょっと残念だったけど、大分慣れました。良いパートナーさんがいらしてよかったですね。うちもなんとかギリギリのラインを保っているので、気を引き締めてやっていかなくちゃ、と思っています。
知らない間に糖尿から他の病気になり、うちの従姉妹は足の指を切断し、透析までしてついには働いている最中に50歳でなくなってしまいました。ですから糖尿には気をつけていますが正直毎日苦しいです。がんばりましょう。