昭和の筆箱あれこれ
私が新一年生になる直前、母は小学校入学前の父兄会(その後、父母会、そして保護者会と呼ばれるようになりました)に出席、準備すべき学用品の説明を受けて帰ってきました。そのとき、「マンガの絵のついたものを学校に持たせてもいいんでしょうか?」という質問が出て、先生からは「できればそういう絵がついていないものが望ましい」との回答があったそうです。
いけない、禁止、というわけではないけれど、やっぱりマンガの絵がついているものを学校に持っていくのはいいことではないらしい、と強烈に刷り込まれたワタクシは、一応「どうする?」と聞いてくれた母に「マンガの絵、ついていないのにする」と答え、「よい子」を演じてしまったのでした。
でもね、本当はすごく買って欲しかった。そういうのを学校に持ってきていたお友達がとってもうらやましかったこと、今でも覚えています。
特に筆箱ですね。男子用、女子用問わず、随分といろんなものが流行ったものです。
低学年の時にほしかったのはこういうの。
一方、実際に買ってもらったのはこんな感じでした。
でも、これはこれでとても大事でしたね。はじめての筆箱を買ってもらったことがうれしくて、かなり高学年になるまで使っていました。
そしてしばらくして流行ったのが、これ。象が踏んでも、ってやつですね。
どういうわけか、こいつの欠けた残骸を発見したことがあるのですが、象よりものすごいものが踏んだんでしょうかw
これよりも、うらやましかったのは、こちらです。鍵がついてるやつ。
色からして男子用だったのですが、鍵がかかる、っていうのがすごく気になって。筆箱に鍵かけてどうするんだ、不便なだけじゃん、っていうのは大人の発想ですよね。自分がなんで鍵をかけることがステキに見えたのかよく覚えていませんが、筆箱ってそれぐらい大事なものだったのかなあ。秘密にしたい、っていうより、大切なものだから、鉛筆一本一本、大事にしまっておきたい、という思いがあったのでしょうか。
でも、これ、カンタンに開いちゃったんですよね、鍵がなくてもw しかも鉛筆一本で。磁石で留め金を回して鍵をかける仕組みだったと思いますが、なんかスキマがあいてて、そこに鉛筆つっこんでひっかければちゃんと開いたんですね。
あと、乱暴な男の子が投げたりなんかして箱がいびつにガタガタしてくると、軽く振るだけで開けることができました。
今思うと、セイフティー機能だったんでしょうか。子供の扱うものですからね、鍵をなくす、開かなくなる、っていう事態は絶対に起こるわけで、その度にメーカー問合せされちゃたまらん、まあ、鍵はかかるけど、なんとなくカンタンに開くように作っておくか、ってところだったんでしょうか。
そして、ナゾの流行を見せたのが、こちらですね。
なんであんなに流行ったのか、未だにその理由が不明です。どこへ言っても黄色いスマイルだらけ。
パッチン式の筆箱はこの辺で卒業、中学生になると、堂々とキャラクターものを持つようになりました。サンリオ様のおかでです。
そして、こだわりがあった最後のペンケースはこれでした。
突如として爆発的に流行ったジェームスディーングッズ。何回も何回もお店で手に取っては棚に戻し、えーい、やっぱり買っちゃえ!と。「かわいい」世界から卒業するきっかけになったグッズでした。
筆箱とか下敷きって、なんであんなにこだわったんだろう… 考えてみると、筆箱って一日中そばに置いてある唯一のものだったかもしれません。下敷きは隠れてみえなくなっちゃうし、鉛筆や消しゴムはいつか小さくなってなくなるし。身につけるものや毎日使うものはたくさんありますが、朝から夕方まで一日中ずっと目の前に置いておくものって、筆箱ぐらいだったんじゃないでしょうか。
なんだか、また使いたくなっちゃったなあ。フタがパッチンするやつで、鉛筆を入れるところが斜めに立つやつ。
ほんとになつかしいですね。
【おすすめ本】
まだある。文具・学校編 改訂版 (今でも買える“懐かしの昭和”カタログ)