2024年12月22日
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夫が脳梗塞になった話し(1)入院当日

まさかの救急車

それは突然やってきました。

いや、振り返ってみると、
休日は一日寝ていたり、
何日もだるさが取れなかったり、ということは続いていたので、
本当はジワジワ来てたんですね。

気が付かなかっただけで。

その日も、昼食後は夕方まで昼寝。
そろそろ夕ご飯だから、起きないとね…とむっくり起きてトイレに行こうとしたら、

大きくよろけるではありませんか。

昼寝する前も、「しんどい」と言っていたし、よく見ると、目は充血してる。

「ゲームのやり過ぎじゃないの?」
「風邪かしら?」と言っていたのですが、
これはちょっとただ事じゃないかもしれない。

右側のまぶただけが腫れたようになって、
目の上半分に覆い被さるようになっていたし、
しゃべる言葉もなんだか滑舌が悪い。

これは病院に行かなくちゃだめだ。今から行こう!と言ったら
「歩けそうにない…」と言う。

このまま病院に連れて行けなかったら、本当にヤバイかも。

私は思わず「救急車、呼ぶよ。いいね?」と言いました。

一瞬本人は「えー?まじで?」ってなったし、
歩けないだけで、普通に座っています。

ちょっと滑舌悪いけど、普通にしゃべれてます。

こんなんで救急車呼んだら怒られるかも、と迷ったけど、
それはそれでしょうがない、と腹を括りました。

電話はすぐにつながりましたが、
救急車が来るまではかなり時間がかかる、ということで、
先行で、近くの消防署から消防車が来てくれました。

救急車が来るまでの間、必要があれば応急処置をしてくれるとのこと。

救急車が来るまでは本当に長かったです。20分以上は待ったかなあ。

でも、その間消防隊のみなさんが一緒にいてくれて、本当に心強かったです。

救急車に同乗する準備についても

「奥さん、ご主人の靴を用意してください」

「保険証は持ちましたか?」

「戸締まりはだいじょうぶですか? カギはかけましたか?」

などと、一つ一つ声をかけてくださいました。
もしこんな声かけがなかったら、何かひとつぐらいは忘れ物をしたと思います。

主人についても、手を前に上げてみてください、とか、
いろんなチェックをしてくれました。

その中で、

「目をつぶって、自分の鼻を指さしてください」

というのがあったのですが、

これが、できなかった、ということで、
脳卒中の対応をしてくれる病院に
受け入れをお願いすることになりました。

そして、受け入れ病院が決まるまでが、また長かったです。
もう夜だったし、連休の最終日だったし。

やっと病院に搬送され、いろいろな検査をした結果、
小さな脳梗塞が見つかりました。

入院が決まり、ベッドが入院病棟に入ったのが22時過ぎ。

私はその後取りあえず帰宅したのですが、
自宅に着いたころには日付が変わっておりました。

知識と情報に救われた

もし、これが去年だったら、私は救急車を呼んでいなかったでしょう。
そしてとんでもない大事になり、後悔にさいなまれていたかもしれません。

救急車を呼ばなくちゃ、と思ったのは、
今年の猛暑のおかげだったのです。

この夏、連日のひどい暑さのせいで、
私は何度かプチ熱中症になっていました。

車中で体の一部が日光に当たっていただけで、呼吸困難気味になったり、
その時のダメージからなかなか回復せず、胃腸の調子が悪くなったり。

そんなことがあったので、熱中症ってどんな症状?
どんな状態になったら救急車?

なんていう記事を、けっこう読んでいたんですね。

そんな中で、よく見かけたのが、
「こんな症状は熱中症じゃない! 脳卒中! 即救急車!」というもので、

・言葉がおかしい
・顔や体の左右の状態が違う

というのが大きな特徴だ、という内容でした。

これを覚えていたのが、本当に不幸中の幸いだったのです。

今年の夏が猛暑でなかったら…
私が熱中症になりかけてなかったら…

そう思うと今でも恐くなります。

これは最近知ったのですが、米国脳卒中協会(ASA)
は脳卒中の警告サインを簡単に覚える合い言葉に「F.A.S.T」を掲げ、

脳卒中が疑われたら、

「Face:顔の麻痺(顔がゆがんだりする)」
「Arm:腕の麻痺(腕に力が入らず、だらりと下がったままになる)」
「Speech:言葉が出ない、ろれつが回らない」
という3つの症状の有無と
「Time:発症時刻」の確認

を呼び掛けているそうです。

いらすとやさんも取り上げているので有名になっているようですが、
より広く普及したいところですね。

そもそも脳卒中って?

国立循環器病研究センター病院のホームページには、

脳卒中:脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が障害される病気

と記述されています。

血管が破れた場合は、脳出血で、詰まった場合は脳梗塞。
脳卒中とは、それらの病気の総称なんですね。
実際に身近で起こるまで、私はそんなことも知りませんでした。

脳卒中の疑いで病院に搬送されると、
まず、CTスキャンで脳出血の有無を調べ、
次にMRIで脳梗塞があるかどうかチェックするそうです。

主人の場合は、出血はありませんでしたが、脳梗塞がみつかりました。

医師の説明に私も同席して聞いたのですが、
MRIの写真を見ると、左右異なる部分があり、
左側のみに小さな白い影ができていました。

これは、なんらかの原因で血流が滞り、
血液が届けられなくなった部分だそうです。

一度こうなると、元には戻らない、とのこと。

血流が再びスムーズになれば生き返る、っていうんじゃないんだ…

再び自分の無知にショックを受けてしまいました。

やはり影響は残った

主人の場合、患部は小さかったのですが、やはり影響はゼロではありませんでした。

入院が決まり、手続きの後病室に行くと

「自分の名前が書けなくなった…」と言うのです。

漢字を忘れたわけではなく、ペンを握れなくなったわけでもありません。
でも、なぜか、書けない。距離感がつかめないし、筆を運べない、とのこと。

後から知ったのですが、これがいわゆる「高次脳機能障害」というものでした。

入院中、そして、退院後のお話は、この後の記事に続きます。

 

 

 

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