2024年12月14日
昭和のくらし

湯沸かしが発達すると暮らしも変わる

西田小学校郷土資料室「くらし」のコーナーには
お風呂の展示もありました。

こちらは、昭和30年代初期のお風呂。

鉄砲風呂

ガスなのか薪なのか不明ですが、
とにか沸かすのが大変だった頃のお風呂ですね。

私は、このタイプのお風呂は知りませんでした。
なぜなら、うちにはお風呂が無かったからです。
幼稚園の頃は銭湯通い。

父と男湯に入ったときは
背中が唐草模様の人が何人かいたりして、

「ねえねえ、どうしてあの人は模様がついてるの?
どうして洗っても落ちないの?」

なんて大きな声で叫んだ記憶があります。

父さん、ごめん。
父の顔は見なかったけど、
きっと真っ青だったと思うw

 

銭湯で楽しみだったのは、やっぱりこれ。
コーヒー牛乳、なんであんなにおいしかったんですかね〜w

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でも、オレンジのパンピーは買ってもらえなかった。
あれを飲むと夕ご飯が食べられなくなるとか、なんとか。

今でも、ちょっと納得がいかないところがあります。

 

小学校の頃、郊外に引っ越ししたら
家にお風呂ができていましたが、

ご近所では、お風呂を薪で焚いていたおうちもまだありました。

大工さんの家の前で、
カンナくずを集めては、
「これでお風呂を焚くんだ」と
持って帰っていたお友達もいた時代でした。

しかし、昭和40年代中頃からは、
お風呂や湯沸かしが急速に発展していきます。

バランス型風呂釜の登場

自分のうちにはじめてできたお風呂は
たしか、こんなやつ。

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煙突を表に出す関係で、
お風呂は玄関の隣、一番寒いところです。

マッチで火をつけるのですが、
冬は煙突からビュービュー風が吹き込んで
なかなか火が付かないことも。

私には火がつけられなくて、
お風呂の火をつけるのは中学生の兄の役目でした。

火をつけてしばらくしたら、
暖まっているかどうか何度も確認。
表面が熱くても、下の方は水のままだったりするので、
こいつでよーくかきまぜる必要がありました。

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昔のお風呂は「しゃがむ」ように作られていて
けっこう深かったので、、
子供にとってはけっこう大変な作業でした。

お風呂が焚けたら、
家族全員、間を開けず入る。これ、鉄則でした。
ぐずぐずしてると怒られる。

それに、いい湯加減のうちにさっさと入らないと
さめちゃったり、熱くなりすぎたりで、
自分にその報いが返ってきますからね(^_^;

 

日曜日は、お風呂から上がると
笑点をやっていたので、
まだ明るい4時頃から、
入浴臨戦態勢に入っていたようです。

でないと、お父さんの
「ナイターにビール」
に間に合わないですからね。

私たちも、夕食前に入ってしまわないと、
巨人の星がゆっくり見られなかったですから、
頑張りました。

でも母は、夕食後、後片付けを終えた後、
すっかり冷えたお風呂場に行って
洗濯物の仕分けをしつつ、
もう一度沸かしなおして入っていたと思います。

あこがれの給湯機器

たかがお湯、されどお湯。
いかに手軽にお湯というものを手に入れるのか。

これが「快適な生活」の一つの指標だったかもしれないですね。

昭和40年代の後半になると、次々と便利なものが登場します。

瞬間湯沸かし器

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冬でも暖かいお湯で洗い物ができる。
これは、全国の主婦のあこがれだったと思います。

スイッチを入れると、
「ボッ!」と音を立てて、
すぐにお湯を出してくれたすぐれもの。

怒りっぽくて、年中怒鳴っているような上司は
「あの人は瞬間湯沸かし器のようだ」なんて言われるくらい
その存在は一般的になりました。

「○○ちゃんのおうちに入ったら、水道からお湯が出たー」
「うちもあれ買おうよー」

ロクに洗い物をしない私でも
あれは、うらやましかった。

でも、うちの母は、絶対にあれを導入しようとはしませんでした。

ぜいたくを言っていたらキリがない。お金も貯まらない、と。

油ものを洗うときは、
ポットのお湯をお皿にちょこっとたらし、
そこに中性洗剤をチュチュっとかけて、
一回し。

その同じお湯をまた別のお皿に入れて、
また一回し。

その繰り返しで、全部のお皿を洗っていました。

時々そのことを思い出して、
自分もやってみたりしますが、

なかなか続かないですねえ。
ダメな娘でございます。

お風呂場のシャワー

うちにシャワーがついたのは、
高校を卒業した後でした。

高校生の頃、
ほんとにシャワーがうらやましかった。

シャワーでシャンプーしたら、
もっと簡単に髪の毛が洗えるようになるんじゃないか、とか
もっとキレイになれるんじゃないか、とか(^_^;
勝手に幻想を描いてましたね。

洗面台のシャワー

バブルの頃でしたでしょうか。
流行語になった「朝シャン」。

これをやるには、洗面台にシャワーが必要でした。

洗面台シャワー

当時はこれもうらやましかったなあ。

朝シャンプーができれば、寝グセと戦わなくてすむし。

写真は、ついにうちにも設置された
洗面台シャワー。

 

「朝シャン」という言葉が登場してから
実に15年の月日を経て
やっと実現したシャワーです。

しかし。時すでに遅し。

このシャワーをつけた頃には、
朝シャンよりも睡眠を選ぶようになり、
寝ぐせがどうのこうのなんて考えもしなくなっていました(^_^;

今これを使うのは、
自分の髪の毛ではなく、
「洗面台を洗う」時だけだなんて、皮肉なものですね。

どこでもホットウォーター

ガス給湯器

自分はマンションに引越し、
実家はリフォームをして、
どちらにも、こんな給湯スイッチがつきました。

「運転」をピッと押せば、
どの蛇口をひねってもお湯が出ます。

家族はそれぞれ好きなテレビ番組を見てから
ゆっくりお風呂に入れるし、

母が手放さなかったゴム手袋も
いつの間にか見かけなくなりました。

 

振り返ってみると、子供の頃は想像もしなかった光景です。
いつの間にか未来の世界で生きている私たち。

今が21世紀であることに、もっと感動してもいいのかもしれませんね。

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